初心者向け将棋入門ガイド
このページでは、将棋の基本的なルールから、少し発展的な戦術までを詳しく解説します。各項目にはインタラクティブな盤面を用意していますので、実際に駒を動かしながら、将棋の奥深さに触れてみてください。
レッスン1:将棋の基本
将棋は、日本の伝統的なボードゲームです。チェスと同様、相手の「玉将(王将)」を詰ませる(動けなくする)ことが目的です。玉将が完全に動けなくなった状態を「詰み」と言い、その時点で勝ちとなります。
将棋の最大の特徴は「持ち駒」というルールです。相手から取った駒は盤から取り除かれるのではなく、自分の駒として盤上の好きな空いているマスに打つことができます。これにより、ゲームは非常にダイナミックで変化に富んだものになります。
初期配置
これが、9x9の盤に各20枚の駒を並べた初期配置です。先手(せんて)が先に指し、後手(ごて)が次に指します。
レッスン2:駒の動かし方
8種類の駒の名称と動かし方を学びましょう。盤の下にあるコントロールボタン(▶, ◀)を使って、動きの例を確認できます。
玉将(玉)/王将(王)
あらゆる方向に1マス進めます。最も重要な駒です。
金将 (金)
斜め後ろ以外、全方向に1マス進めます。守りの要となる駒です。
銀将 (銀)
斜めと前方に1マス進めます。成ると金将と同じ動きになります。
桂馬 (桂)
前方に2マス、そこから斜め前方に1マスジャンプします。成ると金将と同じ動きになります。
香車 (香)
前方にどこまでもまっすぐ進めます。成ると金将と同じ動きになります。
歩兵 (歩)
前方に1マス進めます。成ると「と金」になり、金将と同じ動きになります。
飛車 (飛)
縦横にどこまでも進めます。成ると「龍王(龍)」になります。
角行 (角)
斜めにどこまでも進めます。成ると「龍馬(馬)」になります。
レッスン3:将棋の特別なルール
1. 成り(プロモーション)
自分の駒が敵陣(相手側の3段目以内)に入ったり、敵陣内で動いたり、敵陣から出る際に、駒を裏返して「成る」ことができます。成るかどうかは基本的に自由ですが、その駒がそれ以上動けなくなる場合(例:一番奥の段の歩兵)は必ず成らなければなりません。
例:銀将が成る
銀将が敵陣に入り、「成銀」になりました。これで金将と同じ動きができます。
2. 持ち駒(駒を打つ)
相手から取った駒は「持ち駒」として手元に置きます。自分の手番で、盤上の空いている好きなマスに持ち駒を「打つ」ことができます。
例:持ち駒の金を打つ
先手は持ち駒の金を持っています。これを5e
に打つことで、相手玉への強力な攻めの一手になります。
- 二歩(にふ):自分の歩兵(成り駒でない)がいる筋(列)に、持ち駒の歩兵を打つことはできません。
- 打ち歩詰め(うちふづめ):持ち駒の歩兵を打って相手の玉を詰ませることは禁じられています。
- 行き所のない駒:歩兵や香車を一番奥の段、桂馬を奥から二段に打つなど、次に動けなくなる場所には打てません。
レッスン4:基本戦術
1. 囲い(かこい)
初期配置の玉は非常に危険です。「囲い」とは、玉を安全な場所に移動させ、金将や銀将で守りを固める陣形のことです。序盤における最優先事項と言えるでしょう。
例:美濃囲い(みのがこい)
最も代表的で組みやすい囲いの一つです。守りが固く、反撃にも転じやすいバランスの取れた陣形です。
2. 戦法の選択:居飛車 vs 振り飛車
飛車の位置が、その対局の戦術を大きく左右します。大きく分けて二つのスタイルがあります。
- 居飛車(いびしゃ):初期配置の筋(2筋)に飛車を置いたまま戦うスタイル。中央を制圧することを目指す、現代将棋の主流です。
- 振り飛車(ふりびしゃ):飛車を左側(主に6筋、7筋、8筋)に振って戦うスタイル。側面からの攻めを得意とします。
レッスン5:対局の流れ
将棋の対局は、一般的に3つの局面に分けられます。
- 序盤(じょばん):対局の開始局面。主な目的は、玉を囲い、駒組みを進め、戦法を決定することです。
- 中盤(ちゅうばん):戦いが始まる局面。双方の駒がぶつかり、駒の交換が行われ、有利な状況を目指します。読みと形勢判断の能力が重要になります。
- 終盤(しゅうばん):玉への直接的な攻撃が始まる最終局面。スピードと正確さが鍵となります。相手より速く玉を詰ませた方が勝ちます。
レッスン6:初心者へのアドバイス
- 玉の安全を最優先に:大きな攻めを始める前に、まずは自玉をしっかりと囲いましょう。
- 金銀のバランスを保つ:守りの要である金将・銀将を、攻めに使いすぎないように注意しましょう。
- 持ち駒を考える:駒を取る前に、その駒を相手に渡すことのリスクも考えましょう。
- 歩は戦いの基本:歩を軽視してはいけません。歩の突き捨ては攻めの突破口を開き、相手の動きを制限します。
- 簡単な戦法から学ぶ:初心者の方は、まず振り飛車のような分かりやすい戦法から始めると良いでしょう。
さあ、始めましょう!
ルールを覚える一番の近道は、実際に何度も指してみることです。このガイドを参考に、ぜひ対局ページでコンピュータ相手に挑戦してみてください。健闘を祈ります!